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ゲームに出てくる3Dと2Dイラストのキャラクターの工数を比較してみた

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今回はゲームの中に登場するキャラクターで、3Dと2Dイラスト(以下、イラスト)とどちらが工数がかかっているのかを比較してみます。

 

結論をもう先に書いちゃうと、3Dキャラクターの方が圧倒的に手間がかかる、のですが、どれくらい違いがあるのかを客観的に考えてみます。

 

ちなみに「工数」とは作業日数、と考えていただければほぼ大丈夫です。ゲーム業界では、この工数を基準に見積もりを算出します。

 

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比較するのはパズドラやモンストなどのキャラクターがイラストで描かれたゲームと、白猫プロジェクトやアイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)などのキャラクターが主に3Dで登場するゲームです。

(ちなみに上記のゲームのキャラクターがこの日数で作成されているかどうかは分かりません。あくまでも私の経験則からの推測であることをご理解いただければと思います)

 

イラストで描かれたキャラクターの制作日数は?

では、まずイラストから考えてみましょう。

イラストの場合は一枚絵で、進化したりレベルアップしたりというような差分は考えないことにします。

 

作業工程的には以下のような感じになると考えられます。

 

キャラクターの原案作成(2日)

ラフイラスト作成(2日)

線画作成(1日)

着色(4日)

ブラッシュアップ(1日)

完成

 

これがコラボイベントとかのキャラクターだと、版権チェックが入るのですが、今回はゲームオリジナルのキャラクターとします。

 

カッコ内の数字が制作にかかる日数です。このうちキャラクターの原案作成はプランナーの仕事で、それ以外はイラストレーターの仕事になります。外部から絵師さんが参加されているのであれば、ラフ以降が絵師さんの作業になります。

 

合計で10日間です。仮に人月単価を60万と仮定した場合は、1枚のキャラクターイラスト作成に30万円かかる計算になります。

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3Dキャラクターの制作にかかる日数は?

イラストの場合は特に説明しなくても工程を理解していただけると思います。でも3Dの場合は少し説明が必要かもしれません。

 

というのも、3Dキャラクターをいきなり作り始める訳ではないのです。各工程の作業内容については、あとで簡単に説明します。

 

キャラクターの原案作成(2日)

ラフイラスト作成(2日)

三面図作成(2日)

モデリング(4日)

テクスチャ&マテリアル設定(4日)

 

セットアップ(3日)

完成

 

キャラクター原案作成とラフイラストの作成までは2Dイラストと同じですが、3Dキャラクターの場合は三面図という作業が入ります。直立状態のキャラクターを前後左右から線画で書いたもので、モデラーさんがモデリングするときに指標とするものです。

 

過酷なプロジェクトだとこれがなかったりすることもあります。イメージイラストだけを渡されて、後ろとか見えないところは良いように作ってね、という感じですね(本当にこういう案件がたまにあります(^^;)。ほとんどのケースでは三面図を作成します。

 

モデリングは3Dソフトでキャラクターを形づくる作業で、テクスチャ&マテリアルはその色塗りだと考えてもらえれば概ね間違いはありません。

 

セットアップというのは、あとでキャラクターを動かすためにボーンというキャラクターに芯を入れる作業だったり、その影響がどれくらいモデルに影響するかを設定する(ウエイト設定)作業になります。

(3DCGに詳しい人からは、リグは?、というツッコミが入るかもしれませんが、リグは汎用のものを流用すると仮定します・・・ちと苦しい^^;)

 

さて、上記の合計日数は17日間ですね。金額は51万円。この時点でイラストキャラとの差は7日間で、金額は21万円ほど3Dキャラクターの方が多くなっています。

 

3Dキャラクターの制作に関しては、デザイナー御用達のCGWORLDに記事がありますので、興味のある方はご参照いただければと思います。

 

 

3Dの場合はさらに考えないといけないことがある

3Dの場合はさらに考えないといけないことがあります。モーションの作成です。

 

イラストの場合は基本的に、その後に動かすということがありません(Live2DやSpineなどの2D系のアニメツールで動かすゲームも多くあります)。

 

3Dの場合は必ずモーションを作成する作業が入ります。これにどれくらいの手間がかかるのかは、作成するモーションの数と難易度に左右されます。今回は簡単な動きのモーションで10モーション程度、1モーションに0.5人日かかると計算して5日間と仮定します。

 

セットアップまでの作業と合わせて23日間、69万円かかる計算になります。

 

まとめ・・・3Dの方がはるかに手間がかかる

最初に結論を書いたように、3Dの方が圧倒的に手間がかかります。さらにほとんどのゲームで、3Dキャラクターがメインで存在するのに、別に2Dでキャラクターイラストを用意することが多かったりします。

 

これは日本人は3Dキャラクターに萌えないという点から、ゲームの売りのために美麗な2Dイラストをゲームに入れ込むのです。

 

こうなると、イラスト制作に純粋に3D制作の作業が上乗せされるので、2Dイラストをベースとしたゲームより工数は確実に増えます。その上、背景や武器、アイテムなどの3Dで作成するとなると・・・開発にかかる工数はどんどん膨れ上がってきます。

 

まあ、ゲームの面白さと2Dか3Dかは関係ないんですけどね。では、今日はこの辺で。