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ドリルを売るには穴を売れ 物語+解説の構成で読みやすいマーケティングの入門書

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「ドリルを売るには穴を売れ」はマーケティングの入門書として有名な一冊です。

新入社員が廃業寸前のレストランの立て直しのために奮闘する物語と、その物語で登場したマーケティングの解説、という形で構成されています。

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「物語のあとに解説」という構成なので、非常に読みやすいマーケティング本といっていいでしょう。

 

 

「ドリルを売るには穴を売れ」の物語のあらすじ

広岡商事の新入社員の売多真子(うれた・まこ。通称「うれたまちゃん」)はいきなり社長に呼び出され、赤字が続いているイタリアンレストラン「リストランテ・イタリアーノ」の立て直しを命じられる。

 

社長からの猶予期間は二ヶ月で、その間に立て直すことができなれば、売多真子が所属する新規事業室は解散することに。そうなると、真子の上司で新規事業室室長の大久保博(おおくぼ・ひろし)はクビ、真子も異動は避けられない。

 

売多真子はいとこでコンサルティング会社を経営する売多勝(うれた・まさる)がマーケティングの達人であることを思い出し、勝のアドバイスを元にイタリアンレストランを立て直そうと決意する。

 

レストランの料理長である清川和男(きよかわ・かずお)と衝突したり、ホールのマネージャーの上原望(うえはら・のぞみ)と協力したりしながら、真子はレストランの立て直しに奮闘する。

 

室長の大久保のバックアップと、マーケティングの達人の勝からのアドバイスで、真子はイタリアンレストランを立て直すことができるのか?

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何かを買うときにマーケティングの力が作用している

本書の冒頭にマーケティングとは何なのかを例え話で紹介しているのですが、その例え話が秀逸です。

 

「最近、野菜不足だなあ」と思ったときに、人はどういう行動をするでしょうか。

  • サプリメントを摂る
  • 野菜ジュースを飲む

どちらも野菜不足の対策としてすぐに思い浮かぶ項目ですね。でも、本来であれば、野菜不足の場合は野菜を食べることが解決方法のはずです。

 

サプリメントや野菜ジュースという言葉が頭に浮かんだ時点で、それらを売る側の立場からのマーケティングが作用しているのです。

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物語 + 解説という構成で非常に読みやすい

物語とその物語に出てきたマーケティングの解説、という形で構成されているので、非常に読みやすい一冊といっていいでしょう。

 

物語についてはあらすじを書いたので、解説についても簡単に紹介します。

 

マーケティングの要素の一つとして「ベネフィット」があります。この場合の「ベネフィット」は顧客に提供する価値のことです。

 

タイトルにもなっているドリルと穴の場合は、顧客が求めているのは穴であってドリルではありません。穴が必要なので、穴を開ける機械としてドリルを買っているのです。この穴が顧客が求める価値 = ベネフィットになります。

 

穴を時計に置き換えても考え方は同じです。

腕時計をいつもする人は、

  • 時間が知りたい
  • 高価な腕時計をしたい

大別すると二つの理由があると思います。どちらも腕時計をする人にとってのベネフィットになります。

  • 時間が知りたい = 機能的ベネフィット
  • 高価な腕時計をしたい = 情緒的ベネフィット

という違いはあるものの、どちらも腕時計をする人が求める価値がそこにあります。これが鞄の場合は、収容力だったり、かっこよさなどがベネフィットになります。

 

まとめ ー ブログやアフィリエイトをされている人にもお薦めの一冊

この本は、

  • ブログをたくさんの人に読んでもらいたい
  • アフィリエイトで利益を上げたい 

と考えている人にもお薦めです。

 

マーケティングとは顧客に対する価値を高めることです。

それは価格だけではありません。購入するための手間を減らすことだったり、商品の情報を提供することだったりします。

 

ブログで商品を紹介してリンクを貼るのも、

  • 商品の情報の提供
  • 購入の手間を減らす

ということをしているので、マーケティングの一環といっていいでしょう。

 

他にもマーケティングの四大要素である、

  • ベネフィット
  • ターゲットとセグメンテーション
  • 差別化
  • 4P(製品・価格・販路・広告)

について解説されていて、それぞれについて深く掘り下げて考察しています。他にも人間の欲求やイノベーター理論なども解説があるので、内容的にはもりだくさんですね。

 

私は読んだ本は古本屋さんやヤフオクなどで売ってしまうことが多いのですが、この本は売らずに、折を見て読み直す予定です。それくらいお薦めの一冊です。