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自分の小さな「箱」から脱出する方法 「箱」という概念を用いて自己欺瞞を解説

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ビジネス本というよりは自己啓発に分類される本でしょうか。

全米でベストセラーになり、続巻も次々と発売されている「自分の小さな「箱」から脱出する方法」のレビューです。

 

前から気になりつつも、中々読む機会がなかったのですが、今回一気に読んでみました。

 

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少し本題から外れるのですが、良い本というのは中々値下がりしないですね。私は古本屋さんが好きで休日によく行くのですが、この本はほとんど値下がりしていませんでした。

 

まあ、良い本でもブックオフの100円コーナーに、すぐに並んじゃう本もあるので、需要と供給の問題なのかもしれませんが。

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法のあらすじ

ザグラム社に転職してきたトム・コーラムは、ある日、ザグラム社の副社長であるバド・ジェファーソンとミーティングをすることになる。

 

バドのミーティングは、ザグラム社が成功するための根源になっているという。

トムはよくわからないままバドのミーティングを受けるが、バドからいきなり「君には問題がある」と指摘される。

 

トムはバドから自己欺瞞という小さな「箱」が、問題の根源であるとの指摘を受ける。最初は戸惑っていたトムだが、その箱の外に居るのか中に居るのか、そして外に居続けるためにはどうすれば良いのかを学ぶうちに、だんだんと小さな「箱」の考えをマスターしていく。

 

そして、2回目のバドとのミーティングには、ザグラム社会長であるケイト・ステルナードも参加し、より深く小さな「箱」について学んでいく。

 

そしてザグラム社の前経営者であるルー・ハーバートも参加して・・・

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「箱」という自己欺瞞

この本では自己欺瞞のことを「箱」で表現しています。

 

相手にとってこうしたら良いだろう、ということは誰でもすぐに分かります。たとえばこの本で紹介されているのは、飛行機での座席についてです。

  • 二人がけの座席に一人で座っていて、隣の席に荷物を置いている人
  • 二人がけの座席に一人で座っていて、隣り合った席を求めている人達に自分の席を譲る人

上記の二人の場合、上の人は「箱」に入っており、下の人は「箱」の外に出ていることになります。

 

人間関係において、相手が求めているであろうこと、というのは、ほとんどの人は察知しています。でも、その通りに行動できないことは多いですよね。その場合は「箱」の中に入ってしまっている、と本書は説いているのです。

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自分への裏切り

自分が他の人のためにすべきだと思った行動をしないことを「自分への裏切り」と表現しています。

 

たとえば赤ちゃんが居る家庭でのことです。

夫婦が寝ているときに、赤ちゃんが泣き出しました。そのときにどういう行動を取るべきでしょうか。

 

もし男性であれば、育児で疲れている妻のために、自分が起きて赤ちゃんをあやしてあげることですよね。

 

もしそれをせずに「自分への裏切り」を行うとどうなるか。

泣いている赤ちゃんをみて、男性が妻に対して思い浮かぶのは、

  • 怠け者
  • 思いやりがない
  • 鈍感
  • ひどい母親

などといった感情でしょう。これが自分が「箱」に入っている状態です。

相手のことを考えれば、自分が取るべき行動があるはずなのに、それをしなかったために自分を正当化しようとしているのです。そのために妻に対して批判的な感情を抱いています。

 

まとめ ー 長く売れ続けているのも理解できる優れた自己啓発書

「箱」という概念を用いて、自己欺瞞が周りに与える影響を、これでもかというくらい何度も詳しく解説しています。

 

そして自己欺瞞は会社のような組織だけでなく、家庭でもどこでも対人関係があるところでは影響があると説いています。

 

徹頭徹尾、箱という概念を用いて自己欺瞞の悪影響を説明しているのですが、読みやすい内容に仕上がっているのは、ザグラム社を舞台としてストーリー仕立てで記載されているからでしょうね。

 

続編も数冊出ているようですので、折を見て読んでみることにします。