誰も見ていない時間

ゲーム、読書、マンガ、ライフハックなどの雑記

ちょっと今から仕事をやめてくる 人生応援ストーリーという言葉がぴったしの物語

スポンサーリンク

本の帯の文句は中身と合っていないことが多いのですが、この本はそうではありません。帯に書かれた言葉と内容がすごくマッチしています。

 

全ての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー

 

ちょっと歯の浮くようなセリフですが、その通りの物語です。

「最後に泣けます」とあるのは看板に偽りありかな。泣ける物語ではなく、読後感の良い温かくなる物語です。

f:id:kitahana_tarosuke:20180311231141j:plain

実はこの本は昨年末のお薦め本の一覧で紹介させていただきました。

 

 

今回、もう一度ブログに書こうと思ったのは、友人との会話がきっかけです。何かお薦めの本はない?、と話していたところ薦められたのがこの本でした。

 

ちょっと今から仕事をやめてくるのあらすじ

主人公の青山隆は中堅の印刷会社に勤務するサラリーマンだが、長時間労働と仕事の重圧から、無意識的に電車のホームから飛び込み自殺を図ろうとする。

 

そのとき隆の腕を掴んで自殺を止めたのは、「ヤマモト」と名乗る小学生のときの同級生だった。

 

隆はヤマモトのことをよく覚えてなかったが、誘われるままに居酒屋で話を交わすうちに、ヤマモトと意気投合する。それ以来、隆はヤマモトとときどき一緒に飲みに出かけ、何かとヤマモトに相談に乗ってもらう仲にまでなる。

 

ヤマモトのアドバイスのおかげで、隆の仕事も好転していたが、ふとしたことから同級生の「ヤマモト」は海外出張中であることが判明する。駅のホームで知り合った「ヤマモト」はまったく赤の他人だった。

 

不思議に思った隆は、ヤマモトの正体を調べ始めたのだが、検索して出てきたのは三年前に自殺した人物だった・・・

スポンサーリンク

 

 

ちょっと不思議な応援ストーリーの種明かし

あらすじを読んでもらえればわかりますが、物語の焦点はヤマモトの正体です。

 

まったくの赤の他人である青山隆の自殺を阻止し、友人の振りまでして隆に色々とアドバイスし続けます。そのおかげで隆の仕事も好転し、最終的に隆はブラック企業だった印刷会社を退職します。

 

早い話が青山隆を救うためだけに登場する人物がヤマモトです。しかもヤマモトは三年前に激務が原因で自殺しています。

 

2015年の作品なのでもう種明かしをしてもいいでしょう。

 

ヤマモトは隆にとってまったくの他人です。ヤマモトは双子で、激務が原因で自殺したのは弟でした。それを深く悔いていたヤマモトは、隆が自殺しようとした場面に遭遇し、何が何でも止めようと行動したのです。

 

2017年度には福士蒼汰主演で映画化

www.youtube.com

2017年度は福士蒼汰さん主演で映画化もされています。

 

実は映画版は観たことがありません。この記事を書くにあたり、予告編を観てみたのですが、ちょっとイメージが違うかな。

 

なぜか私の頭の中の「ヤマモト」のイメージは室伏広治でした。原作で、ニカっと笑う、という表現が何度か出て来るのですが、そこから体格のいい男性を想像していたのかもしれません。

 

ちなみに上の予告編はお薦めです。これだけで物語のあらすじが大体わかります。原作では職場の五十嵐先輩は男性なのですが、映画版では女性になっているみたいですね。

スポンサーリンク

 

 

 

 

まとめ ー スカッとするシーンと読後感が良い物語

隆は最終的にはブラック企業だった印刷会社を退職します。

 

喫茶店にヤマモトを待たせたままで、

ちょっと今から仕事をやめてくる

というセリフを口にして。

 

会社で隆をずっと叱責していた部長や、陰で裏切っていた五十嵐先輩に言葉を投げかけるシーンは心地良いものがあります。実際にはこんな会社の辞め方はできないでしょうが、それでも読んでいて爽快です。

 

良いやん。それで。

 

といいたくなるようなシーンです。