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秀吉の清州城修復の話を、ビジネスの現場に持ち込むのは要注意

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豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎と名乗っていたときに、織田信長から清州城修復を命令されたことがありました。秀吉は機転を効かせて、見事に清州城の修復を短期間で成し遂げます。

 

この話は現代のビジネスのお手本として、セミナーなどで紹介されることがときどきあります。でも、実際に秀吉が用いた手法を、今の時代のビジネスに持ち込むのは注意が必要です。

 

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(出典 清須市ホームページ)

その理由は、情報の共有にあります。

 

秀吉が行った清州城の修復とは

秀吉がまだ藤吉郎という名乗りだったころ、清州城の城壁が台風で壊れたことがありました。早急に修理する必要があったのですが、20日間経ってもなかなか修復は進みません。

 

怒り心頭の信長に藤吉郎は「私であれば3日もあれば修復できます」と大見得を切ります。当時の藤吉郎は、まだ修復を担当するような地位の部将ではありませんでしたが、信長は藤吉郎にやらせてみることにします。

 

藤吉郎はまず修復を担当する人足に、この修復工事の重要性を説明します。

その上で人足達を10の組に分け、

 

一番早く仕事を終えた組には褒美を与える

 

 

と報奨金まで用意して、人足達を競わせたのです。

 

仕事の意義を認識し、その上褒美まで出ることを知った人足達の作業スピードは大幅にアップし、見事に清州城の城壁の修復を完成させました。

 

ビジネスの教訓的な意味合い

さて、これをビジネスの教訓的な話としてまとめてみましょう。

  • 仕事の意義を認識させる
  • いくつかのグループに分けて競わせる
  • 早期の仕事の完遂を祝う(報奨金を与える)

上記のような感じでしょうか。

 

これだけを読むと、特に不自然なところはないように感じます。実際にプロジェクト管理のセミナーなどで紹介されることもあるお話なので、間違っているという訳でもありません。

 

ただ、気になるのが、冒頭にも書いたように情報の共有がなされるかどうかです。

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現代のビジネスに持ち込むのが要注意の理由

秀吉の清州城修復の話は、現代のビジネスにも応用できる話のように思えます。ただ気をつける必要があるのは情報の共有です。ノウハウの共有といってもいいでしょう。

 

たとえば飲食店を経営する会社で考えてみます。

 

ある会社で、傘下のA店とB店とで売り上げを競わせて、結果が良かった店舗のスタッフにはボーナスを出すことにしました。

 

特に何も悪いことはないように思えますが、実際にこれを実行すると必ずといっていいほどマイナス要素が発生します。

 

それが情報の非共有です。

 

たとえばA店で新しいオペレーションを開発し、店舗の売り上げが上がってB店に勝利したとします。その場合、A店はそのオペレーションをB店に教えるでしょうか。

 

A店とB店は元々同じ会社の店舗です。A店で生み出された手法が優れたものであれば、それは他の店に共有してこそ、会社全体の発展に繋がります。

 

まとめ ー 情報が共有されるように段取りしておく

情報の共有はプロジェクト単位で仕事の運営をしている、ソフトウェア開発やWeb製作会社、ゲーム開発の会社などでも必要でしょう。

 

あるプロジェクトで開発された優秀な方法があれば、それは他のプロジェクトに共有できるような仕組みを作っておく必要があります。さらに良いことではなく悪いことでも共有しておけば、他のチームで同様のミスを事前に防げるかもしれません。

 

組織内で競争させるときは、情報が共有できるようにしておく必要があるよー、というお話でした。