誰も見ていない時間

ゲーム、読書、マンガ、ライフハックなどの雑記

革命のファンファーレ 現代のお金と広告 キンコン西野氏の発想を知る

スポンサーリンク

帯の文言がこの本の中身をうまく表現しています。

クラウドファンディングで1億円を調達し、絵本「えんとつ町のプペル」を32万部売った男の頭の中。

キングコング西野亮廣氏の考え方や発想を知ることができる本、といっていいでしょう。

f:id:kitahana_tarosuke:20180824041957j:plain

 

クラウドファンディングで1億円を集めた男

西野氏と切っても切れないのがクラウドファンディングですね。彼は何度かクラウドファンディングで資金を調達しています。

 

実際にクラウドファンディングサイトCAMPFIREの履歴を確認してみました。

  • キンコン西野の新サービス『レターポット』の開発費用を集めたい 11,220,863円
  • クラウドファンディングで講演会のオファーを受けつけたい 45,950,380円
  • 誰でも古本屋を出店できるプラットフォームを作りたい 9,610,136円
  • キングコング西野の個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催したい! 46,373,152円
  • キングコング西野亮廣、NYで原画展開催〜あたしをNYに連れてって!〜 5,311,000円

正確には6回開催しているのですが、そのうちの1回は定額制なので、これはいったん計算に入れないことにします。

 

得た資金の合計金額は、1億1,846万5,531円になります。正確に調べた訳ではないのですが、日本でクラウドファンディングで最も成功している人物といって良さそうです。

 

さらにオンラインサロンを二つ運営

西野氏は「西野亮廣エンタメ研究所」というオンラインサロンを運営されています。参加費用は月額1,000円です。そしてCAMPFIREでも定額制のプロジェクトを運営されていますね。

 

キャンディ」というスナックを実際に作って、そのファンクラブという形式です。「キャンディ」は「えんとつ町のプペル」をコンセプトにしたスナックで、内装や店の雰囲気を「えんとつ町のプペル」に合わせています。そして窓の外は液晶ディスプレイを使って、「えんとつ町のプペル」の背景を流す使用になっているそうです。

 

そしてスナック「キャンディ」の場所は、ファンクラブのみの非公開だそうです。おもしろいなー。

 

内装費用はもちろん、店長として芸人を雇ったりされているので、かなり費用はかかっていると思われます。・・・儲かっているかどうかがつい気になってしまうのは、野暮というものでしょうか。

スポンサーリンク

 

 

好感度と信用は違う。好感度が低くても成功している理由

キンコン西野氏は好感度が低い芸人といわれているようです。TV番組「アメトーーク!」で好感度が低い芸人として呼ばれています。

 

不思議なのは好感度が低い芸人なのに、クラウドファンディングでは成功していることです。実は本書にはその理由が記載されています。

 

もちろん芸人だから成功しているという訳ではありません。ロンドンブーツの田村淳氏もクラウドファンディングに挑戦しましたが、募集金額の半分にも届かずに終了しています。

 

芸人としての認知度や人気度でいえば、明らかに田村淳氏の方が上でしょう。それでも西野氏が成功し、田村氏が目標金額に届かなかったのは、信用があるかどうかの違いですね。

 

この辺りも本書が解き明かしてくれます。

 

1日を30時間にも40時間にも増やす

1日は24時間です。誰でも変わりません。

西野氏はディズニーを倒すと広言し、そのためには一日を30時間にも40時間にもしなければ行けないと記載しています。

 

そのためにはどうするか。

 

答えは他人の時間を使うことだそうです。

西野氏は「えんとつ町のプペル」を1万冊以上も自腹で購入しました。いや、自腹というのは正確ではないかな。

 

クラウドファンディングで集めた資金で出版社から本を1万冊買い取り、クラウドファンディングの応募者に配布しました。一種の予約販売で、西野氏は一銭もお金を出していません。

 

それで西野氏の手元に残ったものがあります。1万冊分の購入金額が書かれた領収証です。西野氏はこれをインスタグラムにアップしました。

 

普通の人は絵本1万冊分の金額が書かれた領収証を見たことはないでしょう。この領収書はインパクトがあったようで、西野氏はワイドショーにさかんに取り上げられました。

 

西野氏自身がテレビ出演している訳でもないのに、ワイドショーで取り上げられているのですから、うまく他人の時間を使っているといって良さそうです。

 

まとめ ー 西野氏の発想を知ることができる本

良い作品を作れば売れる、という訳ではありません。そしてインターネットや広告をうまく使えば、需要があるかどうかを事前に知ることができます。

 

一人で好きなものを好きなように作るのであれば話は別ですが、お金と広告を使おうとちょっとでも考えた方にはお勧めできる本ですね。

 

唯一、問題点というか気になる点は、西野氏がそれでも芸人であるということです。同じことを知名度のない一般人が行ったとして同じくらい成功するか、と考えたときに、やっぱり難しいんじゃないかな、と思います。

 

この辺りは自分が置かれたそれぞれの環境で、どうすれば良いのかを考える必要があるのでしょうね。