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ゼロの迎撃 国を守る自衛官の活躍を描いた安生正氏の作品

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本を読んでいて鳥肌が立ったのは久しぶりでした。「ゼロの迎撃」というタイトルで、著者は安生正氏です。安生正氏といえば処女作の「生存者ゼロ」で「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞しています。

 

鳥肌が立ったのは、劇中で首相が演説するシーンです。電車の中で読んでいたのですが、鳥肌が立ち、思わず涙まで出そうになりました。電車の中だったので、一人で必死に涙をこらえていましたが。

 

昨日の大阪の地下鉄で、涙目でこの本を読んでいたのは私ですw

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帯には首都壊滅とありますが、壊滅まではしていないかな。

壊滅の危機を食い止めるべく活動する自衛隊の情報官と、某国の特殊部隊との戦いという内容です。

 

読み終わって最初の感想は、この小説、近い将来に映画化されるだろうな、というものでした。まるで一本の良質なハリウッド映画を観終えたような感じがします。

 

ゼロの迎撃のあらすじ

梅雨前線の影響で悪天候のなか、日本の首都である東京に大規模なテロ攻撃が発生する。

  • 主要官庁へのサイバー攻撃
  • 羽田空港および都内各所での爆発事故
  • 錦糸町にあるマンションの占拠事件

相次ぐテロ攻撃の裏には北朝鮮の特殊部隊が関係していた。

 

自衛隊総合情報部所属の情報官である真下三佐は、テロを食い止めるべく部下の寺沢、岐部、高城達と奔走する。

 

東京に潜伏した特殊部隊は「悪魔の軍団」といわれ、カシミール地方ラダック地区のインド軍を壊滅された北朝鮮の特殊部隊だった。

 

さらにその部隊が20キロトンもの核爆弾を保有しているとの情報も流れ・・・

 

シン・ゴジラと共通するおもしろさ

私はシン・ゴジラが好きで既に5回か6回くらい観ています。シン・ゴジラのおもしろさの一つは、もしゴジラが本当に出現したら日本政府はどう対応するのか、というシミュレーション性にあると思います。

 

「ゼロの迎撃」もシン・ゴジラと同質的なおもしろさがあります。

もし某国の特殊部隊が東京壊滅を目的に攻撃をかけたらどうなるのか。

 

ゼロの迎撃では、事故があった現場に駆けつけた警察があっさりと側頭部を撃たれて即死したり、という残酷なシーンが随所にあります。数十人、数百人単位で警察官やSAT、そして自衛隊までもが惨殺されていったりします。

 

現実ではありえないシーンなのですが、それだけに「怖さ」があります。首都壊滅を目的に特殊部隊が潜入していたら、駆けつけた警察官があっさりと殺されるのは展開として「ありえる」のでしょう。

 

本当の軍隊が東京の壊滅を目的として攻撃をかけたらどうなるのか。法治国家である日本首脳部、そして自衛隊が勝つことができるのかどうかが、この小説に描かれています。

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梶塚首相の演説で泣いた

冒頭で書いた私自身が感動して涙が出そうになったのは、日本の総理である梶塚首相の演説のシーンです。

 

劇中では、警察官だけではなく、投入した自衛隊にも数百人の規模の損害がでます。そのために職務を放棄しようとする動きが、一部の自衛隊員に発生します。

 

それはそうですよね。いくら国を守るために自衛隊員になったとしても、実際に戦闘が発生し、同僚が数百人単位で死んでいったとしたら。

 

そして相手が悪魔の集団といわれる某国の特殊部隊だったとしたら。

 

自分が死ぬかもしれない戦争に行けといわれても、躊躇する気持ちが起こるのは仕方のないことでしょう。

 

首相である梶塚も演説の前に悩み、トイレで嘔吐します。自衛隊員に職務を遂行しろという演説するということは、言い換えれば「国を守るために死んでくれ」と言っているのと同義です。

 

それでも自らの勇気を振り絞って、演説する梶塚首相に心が揺さぶられます。

こういう政治家が実際に居たらいいのですが。

 

まとめ ー 国を守るために奔走する自衛官と特殊部隊との戦い

おもしろい小説は映像でも観たくなるものなのですが、この作品は特にそう感じました。

 

というか近い将来、確実に映像化されそうな気がします。それだけのエンタテインメントを内包した作品です。エンタテインメントといっても、単に楽しいという作品ではなく、人間の様々な葛藤を描いたという意味で。