派遣社員の有給休暇は派遣先企業が変わっても継続する

私の勤務する会社では、数人の派遣社員の方に勤務していただいています。

先日、その派遣社員の方から有給休暇の申し出がありました。派遣社員でも有給休暇があることはもちろん理解していたので、快くOKの返事をしたのですが、返事をしてから少し疑問点が出てきました。

というのも、その方は勤務を開始してからまだ二ヶ月しか経っていなかったからです。

あらためて本人の席まで行って、有給休暇のことを聞くと、以前の派遣先と通算して勤務期間が6ヶ月を超えているので、有給休暇があるとのことでした。

派遣社員の雇用契約は派遣元企業と発生する

まずは少し用語の説明をします。

今回のケースだと、

• 派遣先企業＝私の所属するゲーム会社
• 派遣元企業＝派遣社員が所属する派遣会社

という形になります。

さて。

派遣社員の雇用契約は派遣元企業と締結します。派遣元企業の社員なのですが、勤務する場所は派遣先企業で、業務に関する指示も派遣先企業から受けることになります。

図にすると上記のようになります。

要は派遣社員は、派遣元企業の期間限定の社員であり、働く場所が派遣先の企業になるのです。

私の勤務するゲーム会社の場合だと、クリエイティブ系の派遣会社から、CGデザイナーさんに派遣社員として勤務していただいています。

今回の有給休暇を使用したいといわれたデザイナーさんは、私の会社に派遣に来る前に、別のゲーム会社で4ヶ月ほど派遣社員として勤務されており、通算すると6ヶ月勤務されていました。そのため有給休暇を既に取得されていたのです。

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派遣先企業は有給休暇の費用を払う必要はない

有給休暇なので、一瞬、その分は派遣先企業である私のゲーム会社から支払うのかと考えたのですが、それも不自然な気がしました。

というのも、私の会社ではまだ二ヶ月しか働いていないからです。

気になったので派遣元企業に問い合わせてみました。

 

有給休暇は全てウチの会社持ちになるので、御社に請求することはありません。お休みをいただくことにはなりますが・・・

 

とのことでした。要は派遣社員は派遣元企業の社員さんなので、有給休暇を利用してもその費用は派遣元企業が持つ、ということでした。

派遣社員の方が注意しないといけないこと

その後、派遣元企業の担当さんとは色々と話をしました。この担当さんとは個人的に仲がよく、何度か飲みに行く間柄でもあります。

派遣社員の立場で考えると、気をつけないといけないことが2点あるそうです。

有給休暇が通算で発生するかどうかは雇用契約による

今回の派遣社員さんは、前のゲーム会社で4ヶ月、私の所属する会社で2ヶ月勤務されていました。通算で6ヶ月になるので有給休暇を取得されたのですが、この間の雇用契約が派遣元企業と継続している必要があります。

仮に前のゲーム会社で4ヶ月勤務したあと、次の会社で勤務する前に1ヶ月ほど間が空いていたとしたら、派遣元企業との雇用契約はいったん途切れてしまうそうです。

そうすると有給休暇のカウントはリセットされることになります。

いつでも有給休暇が取れるわけではない

有給休暇は労働者の権利なので、いつでも取得できる、という訳ではありません。仮に別の会社で半年以上勤務されていて有給休暇を取得されている方が、新しい会社で初日から有給休暇を使います、と言ったりしたら、派遣先企業は迷惑してしまうでしょう。

派遣先企業は有給休暇の使用時期の変更を要望することができます。労働基準法の条項に時季変更権として定められています。

ただ実際にどう運用するかは派遣元企業の就業規則に左右されるので、その点については注意が必要です。

まとめ ー お互いに注意しつつ良い有給休暇を

有給休暇なんていうものは気持ちよく利用したいですよね。

派遣社員の方も大いに有給休暇を利用していただいて良いと思います。ただ、ゲーム会社のマネージャーの立場からいうと、業務が社内スタッフで間に合っていないので派遣社員に来ていただいているので、取得の時期だけは注意していただければと思います。

私の所属している会社は、私自身が積極的に有給休暇を利用しているので、全然OKなのですがw