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ゲーム会社で働くデザイナーの8つの職種と、その仕事内容を詳しく解説

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私の職種はデザイナーです。パンフレットやポスターなどの紙のデザインを手がけたあとゲーム業界に入り、かれこれ20年近くにゲーム業界でお世話になっています。

 

一口にゲーム会社のデザイナーといっても、職種は様々です。どの職種があるかは会社の文化や規模によって大きく左右されます。デザイナー職でゲーム会社に就職を希望される場合は、自分の希望する職種があるかどうかを募集要項で確認すると良いでしょう。

 

また小さなゲーム会社だと二足や三足のわらじを履くことが多く、明確に職種が別れていなかったりする場合が多々あります。

 

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今回はゲーム業界への転職を考えている人向けに、デザイナーの職種を紹介してみます。

 

ちなみに最近はデザイナーのことを、アーティストと呼ぶゲーム会社が増えているようです。アーティストという呼称が増えたのは、私の感覚ではここ数年のことだと思います。

 

さらに昔はグラフィッカーとも呼ばれていたりもしたのですが、この記事ではひとまずデザイナーで統一することにします。

 

キャラクターデザイナー

職種として存在しません。

 

すいません(^^;。のっけからこんなことを書いちゃダメですね。でもキャラクターデザインを専門とするデザイナーが存在しない会社が大半なのです。

 

学生さんの面接を担当していると、キャラクターデザイナー志望の方が多くおられます。ただ残念なことに開発チームの中で、キャラクターデザインを担当するのは概ね1人か2人です。

 

ゲームの種類によってはゼロのときすらあります。版権ゲームだったらキャラデザは不要ですし、ゲームの内容によっては、高名なマンガ家さんやイラストレーターさんにキャラデザを依頼することもあります。

 

職種としては、キャラクターデザイナーが狭き門なのは間違いありません。

 

一般的にはイラストレーターとして、ゲーム内のキャラクターのグラフィックを手がけることはよくあります。キャラクターのデザインはすでに決まっていて、イベント時のバストショットを描いたりといった作業です。

 

最近ではLive2Dなどのアニメーション要素も増えてきているので、それらも含めて担当することもあります。

キャラクターデザイナーの別名

  • イラストレーター
  • 2Dデザイナー

 

コンセプトアーティスト

デザイナーではなくアーティストという呼称が一般化しているのが、コンセプトアーティストです。

 

職位的にはチーフデザイナーやデザイナー出身のディレクターなど、リーダー的な立場の人が担当することがほとんどです。

 

手描きであったり、フォトバッシュといった技法を用いて、ゲームのデザインのコンセプトアートを作成するのが主な仕事です。背景を作成する際のイメージボードの作成や、キャラクターデザインを担当することもあります。

コンセプトアーティストの別名

  • イラストレーター
  • 2Dデザイナー

 

UI(ユーザーインターフェース)デザイナー

キャラクターデザイナーと同じ2D系のデザイナーですが、イラストを描いたりすることはほぼありません。主な作業はユーザーインターフェイスの作成です。ゲーム業界では2DUIと呼称することが一般的です。

 

仕事内容はゲーム内の表示物の作成です。フレームやボタン、アイコン、ゲージ、ロゴ、テロップなどを作成します。単に表示物を作成すれば良いという訳ではなく、画面遷移や視認性、ユーザビリティなどUX(ユーザーエクスペリエンス)も仕事内容に含まれます。

UIデザイナーの別名

  • 2DUIデザイナー
  • UIアーティスト
  • インタラクションデザイナー

 

キャラクターモデラー

3DCGツールを用いて、主にキャラクターを作成します。会社によっては背景モデラーと明確に分かれていないことも多くあります。

 

イラストレーターもしくはキャラクターデザイナーが作成した三面図を元に、キャラクターをモデリングします。プロジェクトによっては三面図がなく、イラストだけで作成するケースもあります。

 

後述する背景モデラーとキャラクターモデラーの違いは、キャラクターは後工程としてモーション(キャラクターの動き)があることです。そのため、それを考慮してモデルを作成する必要があります。ポリゴンの分割やボーン、ウエイトなどですね。

キャラクターモデラーの別名

  • 3DCGデザイナー
  • 3Dモデラー
  • キャラクターアーティスト

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背景モデラー

背景担当は主にゲームのステージ、建物やフィールドにある造形物などを作成します。野球ゲームであれば野球場を作成したり、RPGであればダンジョンや中世の街を作成したりですね。

 

ゲームの内容によっては武器やアイテム、背景内で壊れたり動くギミックのあるオブジェクトが大量に必要になったりします。それらはアセットと呼ぶことが多いのですが、大きなゲーム会社にはアセットを専門の担当者が居る場合もあります。

背景モデラーの別名

  • 3DCGデザイナー
  • 3Dモデラー
  • エンバイロメントアーティスト(エンバイロメントデザイナー)

 

リガー

3DCGでキャラクターを動かすときに、リギングという工程があります。そのリギングを専門で担当するのがリガーです。これも大手ゲーム会社でないと存在しない職種です。

 

小さな会社では前工程になるキャラクターモデラーか後工程になるモーションデザイナーのどちらかが担当することが一般的です。

 

テクニカル的な要素が強い職種で、会社によってはテクニカルデザイナーと呼ばれていたりすることもあります。

リガーの別名

  • テクニカルデザイナー(テクニカルアーティスト)
  • リギングアーティスト

 

モーションデザイナー

キャラクターのモーションを専門に作成するデザイナーです。例えばRPGだと歩きモーションや攻撃モーション、必殺技、防御、やられなど一連のキャラクターの動作の作成を担当します。

 

モーションキャプチャという実際の人の動きを取り込んで、ゲーム内に落とし込む作業を担当することもあります。もちろん3DCGツールを使用して、一からモーションを作成することもあります。その場合は「手付け」モーションと呼ばれます。

 

以下は余談なのですが、私が所属していたゲーム会社にある女性のモーションデザイナーさんがおられました。その方はモデリングをさせると、円柱くらいしか作れないのですが、モーションを作成すると周りのデザイナーがため息をつくくらい見事なモーションを作成していました。それくらい専門性が強いポジションだといっていいでしょう。

モーションデザイナーの別名

  • アニメーター

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エフェクトデザイナー

ゲーム内に登場するエフェクトを専門に作成するデザイナーです。

 

エフェクトが何か、ということを一言でいうと、一番わかりやすいのはストリートファイターシリーズのリュウが放つ波動拳、ですかね。

 

他に必殺技を使用するときや、背景が崩れたりするときの煙、爆発、炎上、キャラクターのカットイン時の効果など、ゲーム内の特殊効果を作成する専門家がエフェクトデザイナーです。

 

エフェクトデザイナーの別名

  • エフェクター
  • VFXデザイナー(VFXアーティスト)

 

まとめ ー ゲーム会社によって呼び名は異なることに注意

ゲーム会社によってデザイナーの呼び名は異なりますし、仕事内容も微妙に違ってきたりします。リギングなどは会社によってモデラーが担当したり、モーションデザイナーが担当したりといった違いもあります。

 

ゲームの内容によっても必要なデザイナーは変化します。2D背景が大量に必要な場合は2D背景専門のイラストレーターがチームに入ることもありますし、逆に3DCGをまったく使用しないゲームであれば、モデラーやモーションデザイナーは必要なくなります。

 

他にアニメーターやコンポジッターなどが参加することもありますが、社内で作成するのではなく、アニメ会社や映像制作会社に外注に出すことが多いと思います。この辺りはまた別の機会に紹介したいと思います。