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ゲーム業界のデザイナーと紙&Web業界のデザイナーとの違い

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私はゲーム業界で10数年間、デザイナーとして働いてきました。

 

最近は管理業務がメインになってしまって、自分で手を動かすことが減ってきましたが、それでも自分の人生で、デザイナーとして働いていた期間が一番長いのは事実です。

 

ゲーム業界に入社する以前は、PCソフトを作成する会社に。

さらにそれ以前は、パンフレットやチラシ、マニュアルなどの紙のデザインを仕事にしていました。

 

一応、違う業種のデザインを経験していますので、今回はゲーム業界のデザイナーと、紙やWeb系のデザイナーとの違いについて書いてみます。

 

一番の違いは絵が描けるかどうか

ゲーム業界では、デザイナー=絵が描ける、ことが常識です。採用においてもデッサンができるかどうかが重要視されます。


2Dデザイナーではなく、3Dデザイナーであれば、デッサンは要らないんじゃないか、と思われるかもしれませんが、3Dデザイナーであっても、絵を描く能力が求められます。


3DCGはモデリングだけが作業ではなく、その前工程として2Dの作業が多くあります。それに何よりもデッサン能力がないと、3Dデザイナーとしても能力が伸びないからです。

 

デッサンというのは、スポーツに例えれば筋トレみたいなものと考えてもらえれば分かりやすいかもしれません。デッサンは描く能力だけではなく、物体を見る能力も養われるので、3Dでも必須と言っていいかと思います。

 

それと参考までに、前述したゲーム開発における3DCGの前工程についても書いておきます。

 

3D背景の場合はラフやイメージボードの作成、キャラモデルの場合はラフデザインから始まり、完成イメージのイラスト作成、キャラクターの表情集の作成、キャラクターの対比図、三面図の作成などです。

 

大きなゲーム会社ではこれらは2Dデザイナーが担当しますが、小さいゲーム会社だと3Dデザイナーが担当することもあります。

 

他の業界では、デザイナーは絵を描かない

他の業界では、デザイナー=絵が描ける人ではありません。

 

イラストはイラストレーターさんが担当します。たとえば、パンフレットのデザインをしていて、ここにワンポイントでイラストが欲しいよね、となった場合、イラストレーターさんに依頼します。デザイナーはあくまでもデザイナーであってイラストは描けなくてもかまいません(個人で絵が描けるデザイナーさんももちろん居ます)。

 

デザイナーとイラストレーターの役割が、明確に別れているのです。

 

ゲーム業界の場合は、イラストレーターという言葉自体をあまり使いません。デザイナーは絵が描けるというのが、ある程度当たり前なので、イラストレーターに依頼するという発想をすること自体があまりないのです。

 

ゲーム業界で、イラストレーターに依頼する、というのはどういうことかというと、

・キャラクターデザインを有名なイラストレーターに依頼する

・2D背景をイラストレーターに依頼する

というような形になります。

 

以上は私が経験していた複数のゲーム会社&デザイン事務所での認識です。ひょっとしたら、私が井の中の蛙で、他のゲーム会社では異なる可能性があることを、考慮に入れておいてもらえると幸いです。

 

何かの参考になればと思いつつ、今日はこの辺で。