誰も見ていない時間

ゲーム、読書、マンガ、ライフハックなどの雑記

三国志魂(スピリッツ)上下巻 ハガレンと孔明のヨメの著者によるディープな三国志本

スポンサーリンク

三国無双などのゲームはプレイしているけど、三国志はよくわからないという人にお薦めの一冊です。いや、二冊ですねw

 

三国志が好きな人は概ね二つに別れると思います。

  • 横山光輝のマンガから入った人
  • コーエーのゲームから入った人

ちなみに私は後者です。

コーエーさんの初代三国志をプレイし、三国志の登場人物が知りたいと熱烈に思い、横山光輝のマンガを全て読みました。その後に吉川英治や宮城谷昌光の小説版(これは最近)、そして反三国志のような架空歴史小説も読んだかな。

 

 

f:id:kitahana_tarosuke:20180218114508j:plain

三国志には正史と演義があるのですが、三国志魂は三国志演義について解説したマンガです。世の中には、演義は作り話が多いから云々、といわれる方もおられますが、私自身は正史も演義も大好きです。

 

4コマ漫画プラス二人のトークという構成

著者はお二人ともマンガ家なのですが、4コマ漫画のほとんどをハガレンの荒川弘氏が描かれています。

トーク部分を読むと分かるのですが、お二人とも三国志に詳しいですねー。読んでいて私も知らない事柄がいくつも出てきます。

 

たとえば桃園の誓いの桃園の所有者です。てっきり劉備が所有者かと思っていたのですが、原作の三国志演義では張飛だそうです。劉備の所有にしたのは吉川英治氏のアレンジだとか。しかもこのとき張飛は17歳で既に自分の店を持っていたというw

 

他に貂蝉に元になった侍女がいたことも初めて知りました。

貂蝉ってまるっきりの架空の人物かと思っていたのですが、正史には「董卓の侍女に呂布が通じた」とあるそうです。元になった人物が居たのですね。

 

しかもこの時の貂蝉の年齢は16歳です。荒川氏の「最強のJK!」という表現がおもしろいですね。董卓と呂布を手玉に取った女性が、16歳だとは思いもしませんでした。若くても25か26歳くらいかと。

スポンサーリンク

 

 

初登場と退場の時期が分かるのが便利

著者はお二人ともマンガ家なのですが、4コマ漫画のほとんどをハガレンの荒川弘氏が描かれています。

見開きページの右側がお二人のトーク、左側にハガレン荒川氏の4コマ漫画という構成なのですが、便利なのが初登場と死んだ人物がページの端に記載されていることです。

 

f:id:kitahana_tarosuke:20180218125029j:plain

初登場の人物は右側に、死んだ人物は「お悔やみ」という表現で左側に記載されています。読んでいて「この時期にこの武将が亡くなってたのか」という新たな発見があったりします。

 

武将とかで戦死した武将などは、演義の本編に書かれているのですが、それ以外の人物はいつなくなったのか、あまり良く分からなかったりします。あくまでも演義なので、史実とは違うかもしれませんが、だいたいの時期が分かるのは興味深いですね。

 

「数字のはなし」のキャラクターの身長の比較図

上巻に「数字のはなし」というコラムがあるのですが、それにキャラクターの身長を比較した図が掲載されています。

最も小さいのが張松で155cm、最も大きいのが月突兀で288cmです。まあ、月突兀は三国志演義だけの架空の武将なのですが。

 

比較されている人物を記載すると、

  • 張松 155cm
  • 曹操 161cm
  • 劉備 172cm
  • 諸葛亮 184cm
  • 張飛 184cm
  • 呂布 207cm
  • 月突兀 288cm

意外に諸葛亮の背が高いですね。張飛と同じです。ここには記載がありませんが、関羽は身長2m超えしていて、趙雲は身長が184cmでした。蜀の武将が並ぶと、関羽が頭一つ大きく、張飛、趙雲、諸葛亮が同じ、劉備が一番小さいということになります。

 

うーん、想像と少し違うなー。

何となく関羽と張飛が同じ、劉備と諸葛亮が同じ、趙雲はその中間、くらいに想像していたのですが、これは横山光輝三国志の影響かもしれません。

 

曹操が小柄だったのは有名ですね。この三国志魂でも散々ネタにされています。

スポンサーリンク

 

 

これだけで三国志演義を把握するのは難しいかも

非常におもしろい三国志魂なのですが、これだけで三国志演義という物語を全て把握するのは難しいかもしれません。

 

私のようにマンガ版も小説版も読んだことがあるからこそ楽しめる、というのはあると思います。

 

仮に順番を付けるなら、

  1. 横山光輝 三国志(マンガ)
  2. 吉川英治 三国志(小説)
  3. 荒川弘&杜康潤 三国志魂(マンガ)
  4. 宮城谷昌光 三国志(小説)

という順番がいいんじゃないかな。宮城谷昌光氏のは正史ですが、正史は正史で抜群におもしろいです。演義との違いをぜひ。

 

まとめ ー 読むとゲームがしたくなる三国志魂

本の中に直接は出てこないのですが、著者はコーエーさんの三国志をプレイされているんじゃないかな。呂布が敗北するシーンの解説でも「死ぬんだね、武力100でも」というコメントがあります。

 

コーエーさんの三国志で、武力が100なのは呂布だけです(ちなみに知力が100なのは諸葛亮だけ)。バージョンによっては、アイテムで数値を上げられるものもあるので、100を超える武将も出てくるのですが。

 

三国志魂は読むと三国志のゲームがしたくなる本です。久しぶりにPC版の三国志を起動してみるかな^^

 

PC版三国志や三國無双のようなゲームから入って、三国志の人物がわからないという方にお薦めの一冊です。いや、二冊ですねw