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フリーランスが機密保持契約を締結するメリットとクライアントとの付き合い方

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新しくフリーランスの方に仕事を依頼することになったので、各種契約書を用意したら、相手の方がすごく驚かれていました。その理由は、前のクライアントとは契約書をまったく交わさずに仕事をしていたそうです。

業務委託契約については、過去に一度解説記事を書いていますので、そちらを参照していただければと思います。

 

 

今回はもうひとつの契約、機密保持契約について解説してみます。

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機密保持契約については開発系の職種だと締結することが多いのですが、それ以外の職種だと業務委託契約の中に盛り込まれていることもあります。もし業務委託契約は締結しているけど、機密保持契約は締結していないなー、という方は、再度、業務委託契約書の内容を確認してみると良いかと思います。

 

フリーランスと機密保持契約

機密保持契約はクライアントと初めて仕事をするときに、最初に一度だけ締結します。例えば、ゲーム系デザイナーの場合は、新しいゲームの開発を請け負うことが大半です。

  • タイトル
  • プラットフォーム
  • ゲーム内容
  • 発売時期

上記はもちろん開発を請け負って知り得た知識は全て守秘義務の契約範囲になります。

 

機密保持契約を締結してフリーランス側にメリットはあるのか?、と思われるかも知れませんが、もちろんメリットはあります。それは信用です。

 

仕事を受けるにはスキルだけではなく、信用が大事です。機密保持契約を結ぶことができない、という回答は、仕事で知り得た知識を他に話しますよ、と話しているのと同じです。クライアントさんから機密保持契約を求められた場合は、心地よく応じるようにしましょう。

 

そして機密保持契約を結ぶときに、1点だけクライアントに確認すべきことがあります。それは受託して受けた仕事を自分のポートフォリオとして営業に使用して良いかどうかです。

 

フリーランスである以上、営業も必ず必要です。初めてのクライアントさんと仕事をするときに、

  • どんな仕事を手がけられてきましたか?
  • 今まで手がけた作品を見せていただけますか?

という質問されることは間違いないでしょう。そのときに作品として見せて良いのかどうか確認しておくのです。

 

クライアントさんの対応は分かれると思います。

  1. 全く見せては行けない
  2. 製品が世に出たあとであれば見せてもよい
  3. データが他に渡らないのであれば見せてもよい

 それぞれについて個別に対応を説明します。

 

1.全く見せては行けない

これはクライアントが「第三者に仕事を出していない」という契約を、大元の依頼主と締結している可能性があります。第三者に仕事を出していない、といいつつ、社内で仕事をこなしきれなくて、フリーランスなどに依頼しているパターンですね。

 

これはお金を稼ぐクライアントとして割り切るしかありません。お金がきちんと入ってくるのであれば、ありがたくそれを頂戴して、作品に加えるのは諦めましょう。

 

もしお金の払いも悪いクライアントさんであれば、付き合うメリットはないので、なるべく早く違うクライアントさんに乗り換えるようにしましょう。

 

2.製品が世に出たあとであれば見せてもよい

これはクライアントがパブリッシャーか、受託会社でも大元の依頼主ときちんと契約ができているケースです。スタッフロールなどにも名前が載ることが前提なので、製品が世にでれば公表しても大丈夫というパターンですね。

 

ありがたいクライアントになるので、長くお付き合いしましょう。ただその場合でも、営業のときに仕事で作成したデータは渡してはいけません。データを渡してしまうと、その先どう扱われるのかは分からないので、CGの場合はレンダリングされた画像のみ渡すとか、営業の場でノートPCで見せるなどが良いでしょう。

 

3.データが他に渡らないのであれば見せてもよい

これは上にも書きましたが、営業のときにノートPCなどで作品を目視で確認してもらう方法ですね。データは渡してはいけないが、相手に見せるくらいなら良いですよ、というケースです。

 

クライアントとしては「本来は作品として提示して欲しくはないが、フリーランスの方も営業で必要だろうから」と容認してくれていることになります。理解のあるクライアントといっていいでしょう。

 

大いに付き合うべきクライアント、とまでは言えないのですが、理解のあるクライアントなので大事にお付き合いすると良いかと思います。

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まとめ ー 機密保持契約を締結して気持ちよく仕事を

機密保持契約をクライアントから求められた場合は、

 

ああ、もちろん締結します。締結するのは当たり前ですよね。

 

という対応が良いでしょう。

 

そしてその上で、フリーランスとして営業するときもあるので、仕事で作成した成果物を、営業の席などで見せてもよいかどうか確認しましょう。クライアントの対応は前述したように分かれると思いますが、その対応を見て、長く付き合うクライアントなのかどうかを判断すると良いでしょう。

 

私は現在はフリーランスではなく発注する側なのですが、過去にフリーランスとして仕事をしていたこともあります。その時はゲーム系ではなくパンフレットなどの印刷物をデザインをしていました。

 

あるポスターの仕事をしたあとに、そのクライアントが、

 

営業するときに必要だろうから、一部をお渡ししますね。

 

 

といって、刷り上がったポスターを手渡されたことがありました。このときは正直感動しましたねー。

 

世の中には様々なクライアントさんが居ます。フリーランスの立場を考えてくれるクライアントさんであれば、長く付き合うようにすると良いと思います。