ある会社の社長から強みと価値は違うことを教わったお話
会社の社長をしている方と話すと、気づきを得ることが多いと感じます。視野が広いというのか、考え方が優れているというべきなのか、私の少ない語彙ではあまり良い表現が思いつかないのですが。
少なくとも、忘れないようにブログに書こう、これはきっと聞いた人にも役に立つ話だ、と思うくらい感心することは確かです。
今日は強みと価値は違うというお話です。
ある社長との打ち合わせ後の雑談
仕事の打ち合わせが終わったあと、ある会社の社長さんと雑談していました。その時の会話をご紹介します。
最近は仕事の受注は好調ですか?
お陰さまで。あまり大きな開発案件は取れていないのですが、小さい仕事は継続していただけてますね
御社はリアルタイムの3Dに強みがあるので、仕事が途切れることがないんじゃないですか
いやあ、強みはありますけど、必ずしもそれが価値とは限らないですからねー
んん?、そうなんですか。会社としての強み、イコール企業価値だと考えているのですが
私は強みと価値はまるっきり違うと考えています。強みというのは・・・
強みと価値は違う
私が打ち合わせをしていた会社は、リアルタイム系の3Dを多く手がけておられました。逆にプリレンダを全く手がけていないタイプの会社さんです。会社は比較的新しいのですが、古くからゲーム業界で仕事をしていたスタッフが居ることもあって、リアルタイム系3Dが強みであることは間違いありません。
でも、それが企業としての価値になるとは限らないのです。
例えばリアルタイム系の3Dは、ポリゴン数やテクスチャを抑えて作成します。スマートフォン向けや携帯ゲーム機の開発に必要とされるスキルですが、将来的にデバイスの性能が上がってしまえば、それが価値として認められなくなる可能性があります。
もっと分かりやすい例をあげると、アームレスリングの世界チャンピオンは腕力という強みを持っていることは間違いありません。でも、彼が画家として成功したいと考えたときに、同じ腕を使う作業であったとしても、腕力は画家としての価値にはなりませんよね。
バリュー・プロポジションとは提供できる強みと顧客が求める価値
マーケティング用語でバリュー・プロポジションという言葉があります。
- 企業が提供できる強み
- 顧客が求める価値
- 他社が提供できない
この3つを満たす要件がバリュー・プロポジションといってもいいかと思います。
以前にマーケティングに関する本を読んでいたときに、バリュー・プロポジションに関しては理解していたはずなのに、いつのまにかすっかり忘れていました(^^;
ある弁当屋さんが、
ウチは味にはこだわっているので、弁当が毎日これだけ売れるのも味が良いからだろう
と考えていたとしても、
ここの弁当屋さんは味はイマイチだけと、値段が安いので、今日も買っておくか
と顧客が考えていたら、それはバリュー・プロポジションではないのです。
強みと価値について、考えさせられる言葉がバリュー・プロポジションでもあります。
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まとめ ー 仕事はもちろん就職活動やブログにも応用できるのでは
バリュー・プロポジションという用語を持ち出さなくても、強みと価値について考えることは、仕事や就職活動にも役立てることができると思います。そしてブログにもですね。
私はゲーム会社のCGデザイナーなので、ゲームやCGのことをよくブログに書いていますが、読む人にそれが価値があるものと思ってなければ意味がないですね。
検索流入が増えるような資産記事は何だろう?
読む人が求めているような価値ある記事は何だろう?
そう考えつつも、いつも好き勝手なことを書いています(^^;