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ゲーム業界への就職に関して受けた質問とその回答のまとめ

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ゲーム会社の採用担当者として、今まで数々のゲーム業界への就職希望者からの質問に答えてきました。

  • 問い合わせメール
  • 就職面接
  • 合同企業説明会
  • 事前相談

質問内容は様々です。何度も同じ質問を受けることもありますし、一度だけでしたが、印象的で忘れられない質問もありました。

 

今回は過去に私が実際に受けた質問と、その回答をまとめてみました。

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大学と専門学校とどちらを選んだ方がいいですか?

質問者

高校生

 

質問内容

将来はゲーム会社で働きたいと思っています。大学と専門学校とどちらを選んだほうが良いでしょうか?

 

回答

大学です。

最終学歴はゲーム会社の規模によって異なります。大手だと大学卒が多く、中小企業だと専門卒もしくは高卒が多くなります。これは中小企業は専門卒を積極的に採用しているという意味ではなく、大学卒が大手ゲーム会社に流れて採用できないので、専門学校から採用しているのです。

 

特にデザイン系の職種を目指している方は、美大(芸大)を選択したほうが良いでしょう。ゲーム系デザイナーにはデッサン力が必要です。美大だと入学試験でデッサンがあるため、美大卒=デッサン力がある、という認識を採用担当者は持っています(もちろんポートフォリオで確認しますが)。

 

そのため、美大卒と専門卒ではあきらかに美大卒の方が有利です。大手だと美大からしかデザイン職を採用しないという会社もあります。

 

ゲーム業界未経験なのですが、採用されますか?

質問者

34歳の専門学校生

 

質問内容

34歳になるのですが、以前は飲食業界で働いていたので、ゲーム業界は未経験です。採用される可能性はどれくらいでしょうか。

 

回答

採用される可能性は高くありません。

質問を受けたのは企業説明か何かで周りに人もいたので、上記のような回答になりました。本音をいうと、採用されません、という回答になります。

 

ゲーム業界に限らず、未経験者はどの業界でも採用されにくいのは自明のことだと思います。そしてゲーム業界は特に未経験者には狭き門です。34歳で他業種での経験しかない場合は、採用される可能性はほとんどないと答えざるを得ません。

 

まったくの他業種から転職する場合、以下の二つに力を注ぎましょう。

  • 作品
  • 熱量

この二つをひたすらアップすることで、可能性を上げることができます。

 

ゲーム業界未経験なのですが、未経験者募集は?

質問者

20代?くらいの若い女性

 

質問内容

ゲーム業界未経験なのですが、未経験者を募集されていますでしょうか?

 

回答

経験者のみ採用しています。

同じく未経験者に関する質問でした。これに関しては別記事にまとめてあります。

 

 

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プランナー志望なのですが、どのような勉強をすれば?

質問者

専門学校のプランナー志望の学生

 

質問内容

プランナー志望です。ゲーム会社に就職するためにどんな勉強をすれば良いでしょうか?

 

回答

プログラムを勉強しましょう。

ゲームプランナーはゲームの企画だけを作っている訳ではありません。コンシューマーゲームだとゲームの企画を考えるのは、プランナーでもチーフ的な立場の方か、もしくはディレクター・プロデューサークラスです。

 

質問されていた方は、他のゲームのシステムなどを熱心に研究しているといわれていました。もちろんその努力は無駄にはなりませんが、それよりも就職にはプログラムなどのスキルを勉強したほうが有利です。

 

コンピュータゲームとプログラムは切っても切れない関係にあります。自分でプログラムがバリバリ書けなくても、プログラムを知っていることで、その後の仕事に必ず役立ちます。プランナーだと実際にスクリプト系の言語を仕事で使うこともあります。

 

プランナー志望なのですが、プログラム以外の勉強方法は?

質問者

専門学校のプランナー志望の学生

 

質問内容

プログラムが大の苦手なので、できれば他の勉強方法を教えてください。

 

回答

文章力を鍛えましょう。

一つ前の質問と同じ方からの質問です。プログラムを勉強しておいた方が良いよ、と回答したところ、プログラムが苦手だそうで、プログラム以外でという条件をいただきました。

 

プランナーがプログラム以外で勉強しておいたほうが良いのは文章力です。実際のゲーム制作では、プランナーは文章を書く仕事が多くあります。

  • 企画書
  • 仕様書
  • フレーバーテキスト
  • プロット

他にもクライアントとの窓口役、協力会社への指示など、文章を書く機会は多くあります。正しい日本語の使い方はもちろん、会話シーンなどで限られた文字数に収めないといけないことも多いので、文章力を磨いておくといいでしょう。

 

プランナー志望なのですが、プログラムも文章も苦手なのですが?

質問者

専門学校のプランナー志望の学生

 

質問内容

文章を書くのも大の苦手なので、できれば他の勉強方法を教えてください。

 

回答

リーダーを経験しましょう。

これも同じ方からの質問です。3つ目の質問のときは、会場から笑いが起きていました。質問された方もそれを狙っていたのでしょうね。この質問を受けたときに内心では「この子はセンスがあるなー。採用したいなー」と思っていました。残念ながら私の勤務する会社への応募はありませんでしたが。

 

さて、質問の回答は、何かのリーダー職を経験しましょう、になります。リーダーというポジションを経験すると得られるべきものはたくさんあります。

  • コミュニケーション
  • プレゼンテーション
  • 制作進行

などの力が身につきます。そしれこれらはプランナーとして必須のものです。

 

専門学校生であれば、他の職種のスタッフを集めて、ゲームを一本製作して「このゲームのディレクションを担当しました!」といって面接の場に持ち込むと良いでしょう。それだけの行動力とリーダーシップは必ず評価されます。

 

受けるゲーム会社のゲームを遊んでおいたほうが良い?

質問者

専門学校生

 

質問内容

複数のゲーム会社を受ける予定なのですが、受けるゲーム会社のゲームを遊んでおいたほうが良いでしょうか?

 

回答

遊んでおいた方が良いです。ただ中途半端に遊ぶのであれば、遊ばない方が良いでしょう。

複数のゲーム会社を受けるのは就活では当たり前のことだと思います。希望のゲーム会社に入社できれば良いのですが、そうでない場合は複数のゲーム会社を受けることになるでしょう。

 

面接で、自社のゲームを遊んだことがありますか?、という質問が出る可能性はあります。その場合、遊んでおいたほうが好印象を与えることは間違いありません。ただ、試験対策で中途半端に遊んだ場合、突っ込まれたときにそれがバレる可能性があります。

 

バレてしまうと逆効果になるので、それくらいならいっそのこと遊ばずに自分がゲーム好きであることを熱量で伝えたほうが良いでしょう。

 

デザイナー志望なのですがポートフォリオの構成は?

質問者

専門学校生

 

質問内容

デザイナー志望なのですが、ポートフォリオの構成はどのようにすれば良いでしょうか?

 

回答

自分の得意なものだけではなく、幅広く掲載しましょう。ただし自信のないものは載せないようにしましょう。

デザイン系の職種で応募時に必須になるのが、自分の作品をまとめたポートフォリオです。ポートフォリオが採用を左右するといっても過言ではありません。

 

ポートフォリオには関しては別記事にまとめてありますので、参考にしていただければ嬉しく思います。

 

 

ちなみに一番落ちやすいポートフォリオは、美少女キャラばかりを描いてくる人です。突き抜けたクオリティがあれば話は別ですが、そうでない場合は確実に落ちますので、止めておきましょう。

 

大学は理系と文系とどちらを選んだほうが?

質問者

高校生

 

質問内容

将来はゲーム会社で働きたいと思っています。大学は文系と理系とどちらを選んだほうが良いでしょうか?

 

回答

職種によって異なります。プログラマーなら理系、デザイナーなら美大か芸大、それ以外の職種はどちらでも良い。

質問された方はまだ職種を決めておらず、漠然とゲーム会社で働きたいと考えておられるようでした。

 

理系と文系とどちらが良いかは、職種によって左右されます。プログラマーなら理系以外の選択肢はありませんし、デザイナーなら理系文系というよりは、大学は美大を選択したほうが良いでしょう。

 

ちなみに私が「デザイナー志望なら美大に」といったときに、質問された方は少し驚いていました。おそらくそこまで考えてなかったのだと思いますが、実際にゲーム会社のデザイナーは美大出身者がごろごろいるので、それくらいの覚悟(もしくは実力)がないと難しいといえるでしょう。

 

どうすればゲーム会社に就職できますか?

質問者

36歳の就職希望者

 

質問内容

ゲーム業界未経験なのですが、どうすればゲーム会社に就職できますか?

 

回答

多くの会社に応募することと、作品と熱量しかありません。

一番多い質問でもあり、一番答えにくい質問でもあります。面接で質問されたことを覚えているのですが、通常だと書類審査で落ちる筈の方でした。なぜ面接まで進んでいたのかはわかりません(^^;

  • ゲーム業界未経験
  • 年齢も若くはない

この条件でゲーム会社への就職を目指す場合、やるべきことは二つです。

  • 数多くのゲーム会社を受けること
  • 作品と熱量をひたすら上げること

1社2社で諦めてはいけません。5社6社、10社20社と受けてみましょう。数多くのゲーム会社に応募することが確率を上げる一つの方法です。

 

そして応募に必要な作品のクオリティをひたすらアップすることと、ゲームを作りたいという熱量を最大限上げるようにしましょう。

 

過去にデザイナーを未経験者から採用した例ですが、応募者が数十冊のスケッチブックを持ち込んだことがありました。その方はまったくの別業界で働いておられましたが、絵を描くことが好きで、自分の描いた絵やデザイン案、ラフスケッチなどをスケッチブックにまとめていました。

 

イラストだけでなく、タイトルロゴや既存のゲームをアレンジしたデザイン案なども入っていて、自分ならこんなデザインをする、というのがスケッチブックに山のように盛り込まれていました。

 

スケッチブックで数十冊、ページにすると何百ページにもなるそれらの作品を面接の場に持ち込んだ彼は、今ではチーフデザイナーとして現場でバリバリに仕事をしてくれています。

 

まとめ ー 必要なのは作品と熱量

まとめるとゲーム業界へ入るのに必要なのは、作品と熱量になります。

  • プランナー ゲーム案や企画書
  • デザイナー 自分が作成した作品をまとめたポートフォリオ
  • プログラマー 実際に動くプログラム

これらの作品のクオリティをひたすら上げましょう。それは熱量となり採用担当者に必ず伝わります。

 

そして業界未経験であれば、正社員にこだわらないようにしましょう。最初は採用されやすい派遣社員やアルバイトで入社して、お金を稼ぎつつ、スキルを積んで転職すれば良いのです。

 

 

合同企業説明会などで学生の話を聞いていると、ゲーム会社に就職できなくてあきらめてしまう人が一定数いることをとても残念に思います。誰でも最初は未経験者です。あきらめずに挑戦することが、最も有効な手段なのは間違いありません。