オムライスの起源について調べてみた。発祥の店は北極星、それとも煉瓦亭？
オムライスの発祥と呼ばれている店はいくつか存在します。有名なのが大阪にある北極星と東京にある煉瓦亭です。大阪在住の私は何となく北極星がオムライス発祥のお店だと思っていたのですが、きちんと調べたことがなかったので、これを機会に調べてみることにしました。
（出典 食べログ 北極星 心斎橋本店）
今回のブログを書こうと思ったきっかけは、いつも拝読しているぐわぐわ団さんの記事を読んだからです。
リンクの記事ではオフォンドボーヌとして紹介されているので、ひょっとしたら違う料理なのかもしれませんが、そこは気にしないことにします(^^;
ライスを卵で包んだ「オムライス」北極星
（出典 食べログ 北極星 心斎橋本店）
オムライス発祥の店として有名なのが大阪の心斎橋にある「北極星」です。
1922年創業で、当時の名称は「パンヤの食堂」でした。洋食とパン屋さんを併設していたことから屋号を「パンヤの食堂」とされたそうです。
創業当時のお客さんに雨具屋をされていた小高さんという常連の方がおられたそうです。この小高さんが胃腸が弱く、柔らかいものしか食べられなかったため、いつも白いごはんとオムレツを注文されていました。
創業者の北橋茂男氏が、いつも同じメニューではかわいそうだと考え、
- マッシュルーム
- 玉ねぎ
- トマトケチャップ
をごはんと一緒に炒めたものを卵に包んで提供しました。
小高さんはその料理をいたく気に入り、料理名を尋ねたところ、北橋氏がとっさに「オムレツとライスでオムライス」と答えたことからオムライスが誕生したとのことです。
スポンサーリンク
ライスと卵を混ぜて焼く「オムレツライス」煉瓦亭
（出典 食べログ 煉瓦亭）
もうひとつオムライス発祥の店として知られているのが東京の煉瓦亭です。
煉瓦亭は1895年創業ですが、オムライスが誕生したのは1900年頃のことだといわれています。
当時の従業員向けに、簡単に片手でスプーンで食べられるまかない料理として作られたのが、ごはんと卵を混ぜて焼いたご飯入りオムレツでした。
まかない料理として何度も作っているうちに、お客さんがその料理を目にして「自分も食べたい」と注文したことから、「ライスオムレツ」としてメニューに載せるようになりました。
正式にメニューにライスオムレツが掲載されるようになったのは、1901年ですので、大阪の「北極星」よりも20年以上も前に誕生していたことになります。
ライスオムレツは現在も「元祖オムライス」として名前を変えて、提供され続けているそうです。
オムレツを後乗せで開く「オムライス」レストラン吾妻
（出典 食べログ レストラン吾妻）
オムライスの起源というわけではないのですが、オムライスでもうひとつ有名なスタイルが、半熟状態のオムレツをチキンライスに乗せて、食べるときにナイフを入れて開くタイプです。
「ふわとろオムライス」や登場した映画の名前をとって「タンポポオムライス」ともいわれています。
このタイプのオムライスの発祥は東京にあるレストラン吾妻です。
考案されたのは二代目の竹村正次氏で、時期ははっきりとしないが戦後しばらく経ってからのことだそうです。
1985年の伊丹十三監督の映画「タンポポ」に登場したこともあり、その後は日本各地にこのタイプのオムライスが広まりました。
まとめ ー 原形は煉瓦亭、発祥は北極星
こうして調べてみると、1901年にオムレツライスが煉瓦亭にメニューに載っているので、オムライスの発祥といえそうです。
ただ煉瓦亭のオムライスは、現在の一般的なオムライスとはちょっと調理法が異なっています。
- 卵とごはんを混ぜて一緒に焼いている
- ケチャップが使われていない
ケチャップが使われていないのは、トマトケチャップが日本で使われるようになったのがオムレツライスが登場するよりもあとだからです。1908年、カゴメの創業者である蟹江一太郎氏が日本で初めて国産のトマトケチャップを販売されています。
無理やりまとめると、今と変わらないオムライスを最初に考案したのは北極星で、それ以前にオムレツライスを提供していたのが煉瓦亭、というところでしょうか。
ちなみに大阪人の私は北極星には何度か行ったことがあるのですが、煉瓦亭には行ったことがありません。今度、東京出張のときに行ってみようかな^^
