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三国志2参旗の星 曹操が青州黄巾軍100万と激闘。貂蝉が登場しない三国志

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北方三国志」の第2巻を読了しました。2巻を読み終えて一番驚いたのは貂蝉が登場しないことです。

 

貂蝉は架空の人物ですが、元になったといわれる董卓の侍女が存在します。1巻では董卓が呂布に自分の侍女を与えるシーンがあるので、てっきりその侍女が貂蝉になるのかと思っていたのですが・・・まさか登場しないとは思いませんでした。

 

貂蝉が登場しない三国志というのもなかなか新鮮です。北方三国志は三国志演義ベースかと思っていたのですが、貂蝉が出ないとなるとそうではないようです。もちろん正史でもないので、やはり「北方三国志」という呼び名がふさわしいのでしょう。

 

北方謙三 三国志 参旗の星

(出典 Amazon)

 

貂蝉が登場しないのも驚きですが、2巻では他の三国志ではあまり書かれることのない曹操と青州黄巾軍との戦いにも大きくページを割いています。この辺りは独自性があって本当におもしろいですね。

 

呂布は董卓を討ち、徐州支配へ

北方三国志の2巻は呂布が董卓を討つところから、徐州を治めるまでが描かれています。

 

もちろんそれ以外の群雄達も活躍するのですが、呂布の印象が強いのも事実です。愛妻である揺(よう)を失った呂布は、王允の薦めもあって董卓を討ち滅ぼします。

 

呂布は直属の部下を率いて流浪の旅に出ます。曹操との戦いのあと、劉備の策略?によって徐州を支配することになります。

 

呂布というと、最強武将だが裏切りが多い、というイメージを持ってしまうのですが、北方三国志では呂布は爽やかな青年という印象があります。義父である丁原を殺害し、董卓の首を刎ねるという裏切りは、北方三国志でも変わりはないのですが。

 

それでも呂布に爽やかな印象があるのは、彼が揺という妻を愛し、赤兎馬をずっと愛でているからなのでしょう。

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曹操と青州黄巾軍100万との死闘

冒頭でも書きましたが、曹操と青州黄巾軍100万との戦いは、他の三国志にはあまり登場しません。記憶に残っているのは宮城谷昌光の三国志くらいでしょうか。

 

曹操というと青州兵を率いていたという印象があるのですが、その青州兵の礎になったのが青州の黄巾軍です。曹操は青州黄巾軍との戦いに大勝し、その精鋭を自軍に組み入れたのです。

 

ひとことで青州黄巾軍100万との戦いといっても、尋常な数ではないですよね。このときに曹操が率いていた軍勢は約3万です。

 

3万 vs 100万

 

尋常な数ではないですよね。もちろん黄巾軍は全てが戦闘兵ではなく、中核になっているのは10万ですが、それでも3倍の数と戦いは圧巻です。

 

蛇足ですが、黄巾賊と書くのは三国志演義風で、正しくは黄巾軍と書くようです。

 

袁術からの自立する孫策、徐州を譲る劉備

1巻の最後で孫堅を失った呉は、嫡男の孫策が袁術の支配から独立すべく活躍します。ちょっとおもしろい登場人物が孫賁(そんほん)ですね。

 

孫堅の兄でありながらも、自らに将としての才能がないことを悟り、孫堅に従っていたという設定です。孫賁は三国志演義には登場しないのですが、正史には存在します。ただ史実では孫堅の兄ではないので、これも北方三国志のオリジナルなのでしょう。

 

孫堅の死後、孫賁は孫策を立てて行動します。弟の子どもを主君として仰ぐのですから、不思議な感じもします。三国志演義には登場しない人物なので、読んでいて新鮮でもあります。

 

劉備は陶謙に請われて徐州の太守になるところまでは、他の三国志と同じですが、徐州は劉備自身の策略によって呂布に譲るという展開です。この解釈もおもしろいですね。

 

まとめ ー 三国志を知っているとより楽しめる北方三国志

私は三国志は小説とマンガを合わせて色々と読んできました。

 

北方三国志はそのどれとも違う、オリジナルの三国志です。他の三国志を知っていてもより楽しめるといってもいいでしょう。貂蝉が登場しないとは思いもしませんでしたし、青州黄巾軍100万と曹操率いる3万との戦いは圧巻の一言です。

 

他の三国志を知っている人にもお薦めのシリーズです。