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プロジェクトを上手く進めるためのPDCAの回し方

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先日、プロジェクト管理が上手くいかないのはなぜか?、という記事を書いたのですが、今回は、プロジェクトを上手く進めるためにはどうすればよいか?、について書いてみます。

 

私が手掛けているのはゲーム開発なのですが、映像制作やシステム開発のプロジェクトでも同じような考え方で進められると思います。

 

PDCAの正しい回し方

プロジェクト管理の手法は色々とあるのですが、今回はPDCAを基に話を進めます。

 

 

PDCAとは何か?

PDCAとはプロジェクト運営において品質を管理するための手法の一つです。最近ではPDCAではなく、OODAという考え方もありますが、今回はひとまずPDCAで話を進めます。

  1. Plan 計画する
  2. Do 実行する
  3. Check 実行結果をチェックする
  4. Action 改善する

上記がPDCAのサイクルです。最後のActionまで言ったら、改善案を最初のPlan(計画)に盛り込んでプロジェクトのクオリティを上げていく、というのがPDCAの考え方です。

 

このPDCAは最後のActionまでいくと、先頭のPlanに戻るので、PDCAサイクルという言い方をすることもあります。

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どうしようもないウォーターフォール型

ここからは図でPDCAの回し方を説明します。まずは悪い例ですね。たとえるなら「どうしようもないウォーターフォール型」です。

どうしようもなウォーターフォール
PDCAが回っていません。プロジェクト終了=PDCAの終了になってしまっています。品質向上のためにはPDCAを回す必要があるのですが、回らずに終了してしまうと意味がないですね。

 

強いてメリットを挙げるとすれば、このプロジェクトが他のプロジェクトに活かせるくらいでしょうか。

 

それでもPDCAが回ることもなく終わってしまっているので、今回のプロジェクトのクオリティはどうなる?、という問題が残ります。

 

CAはどこに行ってしまった型

CAはどこに行ってしまった

いやー、怖いですねー。あまり近寄りたくないですね。

 

PDCAのうち、C(Check)とA(Action)がありません。最初にゲーム開発の企画書や仕様書を作成し、あとはひたすら開発するというパターンです。

 

笑い話のようなプロジェクトですが、実際にあったりします。しかもこれが大作ゲームだったりするから笑えます。いや、笑ってちゃダメか(^^;

 

とにかく発売日に間に合わせるためにひたすら作り続ける。仕様をすべて盛り込むのが最重要事項で、ゲームとしてのおもしろさをチェック、改善する工程がないプロジェクトです。

 

チェックはするが改善されない型

チェックはするが改善されない
PDCAのうちAがないパターンです。計画して作ってチェックもするのだけども、改善されずに進行するプロジェクトです。

 

毎週定例ミーティングを行い、業務の進捗状況を報告する、ということは多くのプロジェクトで行われています。そして改善案についても話し合われるのですが、それらがほとんど実行されずにプロジェクトは進んで行ってしまうのです。

 

実際にこういうプロジェクトに参加したことがありますが、このプロジェクトがこのタイプになってしまうのは明確に理由があります。

 

それはチェックしたときに出た改善案の実行担当者と期限を決めないことが原因です。

 

誰のセリフかは忘れてしまったのですが「人類の最大の発明は期限である」という言葉があります。これは本当にその通りだと思います。どんなに優れた改善案であっても、期限を定めて初めて効力を発揮します。

 

この手のプロジェクトは、改善点が浮かび挙がってきたときに、担当者と期限を明確に定めることで、大いに改善することがあります。

 

各マイルストーンごとにPDCAを回す型

各マイルストーンごとにPDCA
ゲーム開発のマイルストーンについては以前に記事にしてみました。

概ね下記のようなフェイズに別れます。

  • 企画
  • プロトタイプ
  • アルファ版
  • ベータ版

そしてこの各フェイズごとにPDCAを回すタイプです。この手のプロジェクトは上手く行く場合もあればそうでないときもある、という感じでしょうか。

 

たとえば企画でのPDCAが次のプロトタイプに活かせるかどうかは疑問が残ります。企画を考えている段階とプロトタイプ作成ではやることが違うからです。

 

だからといって必ず失敗するというわけではありません。それはアルファ版は概ねゲームの仕様を固めるフェイズであり、そこでのPDCAはベータ版である量産時に役に立つからです。

 

成功する可能性も失敗する可能性もあるプロジェクトの回し方と言えるでしょう。

 

なるべく短いサイクルでPDCAを回す型

なるべく短いサイクルでPDCA
いかにも成功しそうなPDCAサイクルですね。実はこれを最も成功するタイプとして紹介しようかと考えていました。

 

ただちょっとだけ最適解からは離れているかなと感じましたので、次の型をもっとも成功する可能性が高いプロジェクトの回し方にしたいと思います。

 

なるべく短いサイクルでPDCAを回してクオリティをアップする型

なるべく短いサイクルPDCAかつクオリティの向上

縦軸がクオリティと考えていただければと思います。

 

本来のPDCAサイクルは一つのサイクルが終わる度に、螺旋状に品質を上げていくものです。なるべく短いサイクルでPDCAを回して、クオリティをアップさせていくこのタイプが、プロジェクトを成功に導く可能性が最も高い運営方法です。

 

まとめ ー PDCAを短期で回しクオリティをアップする

まとめると、PDCAを短期で回しクオリティをアップする、というのがプロジェクトを成功させる最も優れた運営方法です。

 

こう書くと、プロジェクト管理に携わった人であれば、「そんなんわかっとるがな。実際にそれをするのが難しいんや」と思われるかもしれません。

 

たしかにその通りですね。言うは易く行うは難し、で頭では分かっていても実際に思った通りに回らないのがプロジェクト運営です。

 

とはいえ、最初から諦めてしまっては何も解決しないですし、それで実際に苦労をするのはプロジェクトに入っているスタッフです。

 

プロジェクト管理をする人間は、少しでも「改善するためにはどうすればよいか?」を考え、かつ、行動する必要があると思います。

 

自戒を込めつつ、今日はこの辺で。