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プロジェクト管理におけるタスクの設定。本人の進捗度を基準にしてはいけない

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IT業界とゲーム業界ではプロジェクト管理手法は異なると思います。

思います、と歯切れが悪い言葉になっているのは、私がゲーム業界の人間で、IT業界のプロジェクト管理の仕方を知らないためです。

 

 

いつも拝見しているらくからちゃさんのブログです。

記事の内容についてはほぼ同意します。人間関係を悪くし、仕事の進捗を妨げる最大の要因は、怒りもしくは不機嫌です。

 

でも、ひとつだけ気になることがあります。

進捗率が90%、という言葉が出て来るのですが、これを言っているのが誰なのかが気になるのです。

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まずはタスクについて簡単に説明

タスクというのは、プロジェクトにおける仕事を進めるための一つの作業単位、と考えていただければ概ね問題ありません。

 

例えば、あるプロジェクトにおいて、

  • 敵モンスターAのモデリング

を一つのタスクとして設定したとします。

 

このタスクを構成する要素は下記の通りです。

  • タスク名
  • 担当者名
  • 作業期間
  • 進捗率
  • 開始予定日
  • 終了予定日
  • 作業開始日
  • 作業終了日

 

プロジェクトを管理するやり方によって異なると思いますが、概ね上記がタスクを構成する要素になります。各項目については特に説明する必要はないでしょう。分かりづらいはの開始予定日と作業開始日の違いくらいかな。

 

  • 開始予定日 タスクに取り掛からないといけない日
  • 作業開始日 実際にタスクに取り掛かった日

開始予定日よりも早く取り掛かった場合は、プロジェクトにおいてそのタスクは前倒しでスタートしていることになります。逆に遅く取り掛かった場合は遅れているということですね。

 

プロジェクトによっては予定日を設定していない場合もありますが、専属のプロジェクトマネージャーが居る場合は、予定日も含めて管理した方が良いでしょう。プレイングマネージャーの場合は自分の作業もあるので、簡易的な管理にならざるを得ないときもありますが。

 

タスクを仮設定と図で説明

仮にタスクを設定してみます。その方が分かりやすいと思いますので。

  • タスク名  モンスターAのモデリング
  • 担当者名  権田原土下座衛門
  • 作業期間  4日間(32時間)
  • 進捗率   75%
  • 開始予定日 2月19日
  • 終了予定日 2月22日
  • 作業開始日 2月20日
  • 作業終了日 2月xx日

タスク名や担当者名はテキトーに今考えたものです。ネーミングに書いている人のセンスのなさが出ますね(^^;

 

実際のプロジェクトでは、タスクをガントチャートかタスクボードで管理します。

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これはタスクボード形式で、上のタスクを図にしたものです。配色はテキトーなので、あまり気にしないでください。

左下が埋まっていませんが、ここは作業終了日を記載するものなので、タスクが終了したときにその日の日付を書き入れることになります。

 

このタスクを管理している日が仮に2月22日だとします。

作業開始日が2月20日なので、日数でいえば3日間、時間でいえば24時間経過していることになります。その場合の進捗度が75%というのは適切のような気がします。

 

が、それは大きな間違いです。

 

プロジェクトの担当者である権田原土下座衛門さんが、自分の進捗率を75%ときちんと判断してこそ75%

 

では、ありません。

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進捗率はタスクの担当者が測ってはいけない

タスクの進捗はプロジェクトマネージャーが判断すべきです。

チームの体制によってはディレクターでも、チーフデザイナーでもいいでしょう。要はプロジェクトを管理する立場の人が進捗を測るべきであって、本人が進捗を測る、もしくは進捗会議などで、本人が進捗を述べるのは間違っているのです。

 

その理由は、主に二つあります。

  • 本人では的確に進捗を測ることが難しい
  • 仕様にきちんと沿っているかどうか

 

本人では的確に進捗を測ることが難しい

タスクの担当者は、多かれ少なかれプレッシャーを抱えています。タスクを確実に終えられるのかどうか、終了予定日に間に合うのか、フィードバックが返ってきたらどうしよう、など不安要素はいくつもあります。

 

上司から進捗を尋ねられて、正確に答えられる人はあまり多くありません。その人の素質の問題ではなく、人間の習性といってもいいかもしれません。そういう意味で、本人の申告である90%から進捗が進まない、というのは現実にはよくあることなのです。

 

仕様にきちんと沿っているのかどうか

プロジェクトの担当者がベテランの場合はあまり発生しないのですが、新人や慣れていない人が担当したときに時々発生することがあります。

仕様に沿っていないものを作っていたりするケースです。これも図にしてみれば一目瞭然です。 

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怖いですね。

 

タスクに定められた4日間という作業時間のうち、3日間が経過した。

 

ベテランだし順当に進んでいるだろう。念のために確認しておくかな。

 

 

と思って確認したら、全く別のものを作っていた、ということが実際にあったりします。えんげつとう、といって、なぜ円月島を作るんだ!、偃月刀にきまっているじゃないか!、といっても後の祭りです。

ああ、怖い・・・

 

過去に一番ひどかったのは、外注さんと社内にいる制作スタッフで、同じものを作っていたというケースでした。この場合は進捗も何もなくて、ただ単純に無駄な作業になりますが・・・

 

まとめ ー タスクの進捗の管理は本人以外がするもの

プロジェクト管理において、タスクの進捗の管理は本人以外が担当するほうが良いでしょう。プロジェクトマネージャーが専任でいる場合はいいのですが、会社規模によってはそれが難しいこともあるでしょう。

 

そういう場合は、チーフデザイナーといった職位が上のスタッフが確認するか、せめてデザイナー同士で相互に進捗を測るといいでしょう。自分で自分の作業の進捗を測るのは意外に難しいものです。

 

適切なプロジェクト管理で、良い開発ができることを願って、この辺で。