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覇王の番人 明智光秀が主人公の歴史小説。本能寺の変の黒幕は誰か!?

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覇王の番人は明智光秀を主人公とした歴史小説です。著者は真保裕一氏で、ホワイトアウトの著者として有名な方ですね。同じ真保氏の「奪取」や「奇跡の人」も良い作品なので、興味のある方はぜひ^^

 

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この小説のタイトルになっている覇王の番人とは誰のことなのでしょうね。順当に考えれば、明智光秀自身になるのですが、そうでないような気もします。

  • 織田信長(覇王)と明智光秀(番人)
  • 明智光秀(覇王)と小平太(番人)
  • 徳川家康(覇王)と天海僧正(番人)

くらいのパターンが考えられそうです。

 

小平太というのはこの小説のオリジナルのキャラクターで、明智光秀に使える忍びのことです。本編の語り部でもあり、準主役といっていいでしょう。

 

明智光秀ともう一人の主人公の忍者の小平太

覇王の番人に登場する明智光秀は、清廉潔白な武将として描かれています。それとは逆に、悪の象徴のように描かれているのが織田信長ですね。明智光秀の清廉さを強調しすぎるあまり、ちょっと信長が悪役に成りすぎているような気もします。

 

もう一人の主人公である小平太は、少年時代に侍に身内を殺され、その恨みを晴らすために侍を襲撃します。襲撃されたのが明智光秀なのですが、その光秀の人柄に惹かれて、逆に光秀に仕えることになります。

 

覇王の番人はこの小平太と明智光秀との視点が切り替わることによって、物語が進行していきます。

 

本能寺の変の黒幕は誰なのか?

覇王の番人ですが、歴史を舞台にしたミステリーとして評価されているようです。確かにミステリー的な要素もありますね。戦国史上最大の謎ともいっていい、本能寺の変に黒幕はいたのかどうか? です。

 

覇王の番人は黒幕が居たという説を採用しています。それが誰なのかはこの小説の肝となる部分なので、ここでは書きません。ただ今ままでの歴史小説ではなかった人物だと思います。

少なくとも私は考えてなかったなー。

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明智光秀が細川藤孝に出した手紙が気になる

小説とは直接関係のないことなのですが、本能寺の変のあとに、明智光秀が細川藤孝に出した手紙があります。光秀が藤孝に味方することを求める手紙なのですが、その手紙もニセモノの可能性があると著者の方が指摘されています。

 

手紙の内容は、明智光秀が細川藤孝に味方になるように嘆願しています。本能寺の変後の明智光秀の苦しさが伝わってくるような、光秀も独白が綴られています。

 

ちょっとらしくないなーと思っていたのですが、歴史は勝者が作るものなので、ひょっとしたらこの手紙も創作されたものなのかもしれませんね。

 

まとめ ー 本能寺の変が失敗に終わったのはなぜか

この小説に出てくる明智光秀は計画的に本能寺の変を進めています。私自身は本能寺の変は明智光秀の単独犯だと考えているのですが、この小説はそうではなく事前に着々と手を打ってから信長を討ち取っています。

 

それなのに歴史が変わることはありません。明智光秀による天下支配はこの小説でも達成しなかったのです。その理由は・・・黒幕が居たから、ということになるのでしょうね。